店舗の来客人数や属性を把握し、データに基づいた意思決定を可能にする「AIカメラ」。近年では多くの小売業が導入を進めていますが、実際に導入を検討する際には「どのAIカメラを選ぶべきか」で迷う方が多いのではないでしょうか。
本記事では、店舗分析用途のAIカメラを選ぶ際の基準を解説します。特に「信頼性」「コスト」「活用機能」「活用支援」の4つの観点から比較し、成果につながるAIカメラの選び方を整理します。
店舗分析用途のAIカメラとは
AIカメラとは、映像から来客人数や属性を推定し、店舗分析やマーケティングに活用できるカメラです。防犯カメラとは異なり、店舗運営改善や売上向上のためのデータ収集・分析を目的としています。
主な取得データ
店舗分析向けAIカメラで取得できる代表的なデータは以下のとおりです。
店前通行量
入店率(来客人数÷店前通行量)
来客人数
買上率(POS上データの購入件数÷来客人数)
来店客の属性(性別・年代など)
棚・エリア別滞留人数
これらを活用することで、「施策によって入店率は改善したか」「キャンペーンで買上率や客単価はどう変化したか」といった効果を定量的に把握できます。
こちらの記事では、AIカメラで取得可能なデータを実際に用いた具体的な取り組み方法について解説していますので、参考にしてみてください。
参考記事:店舗マーケティングを紐解く│考慮すべき売上構成要素とこれらを伸ばす具体的施策
AIカメラ導入の目的
AIカメラを導入する目的は「データを取ること」ではなく、取得データを活用して施策の意思決定や効果検証を行い、改善サイクルを回すことにあります。AIカメラの導入が効果を生むわけではありません。AIカメラで取得したデータに基づく改善サイクルの先に、売上向上・業務効率化・コスト削減といった成果があるのです。

このことを踏まえ、AIカメラ選定で重視すべき比較項目についてみていきましょう。
AIカメラ選定の比較項目
AIカメラを選定する際は、以下の4項目で比較することが重要です。
信頼性(データの精度・欠損の少なさ)
コスト(初期費用・月額費用)
活用機能(改善サイクルを支える機能)
活用支援(伴走体制の有無)
信頼性
前述した用途を理由に、AIカメラで取得するデータは、店舗の意思決定を大きく左右します。そのため、正確で欠損が少ない信頼性の高いデータを取得できるかが重要なポイントとなります。
評価の際には以下を確認するとよいでしょう。
データ欠損の有無、その範囲が許容範囲か
人数カウントや属性推定の誤差率は許容範囲か
障害発生時のサポート対応は充実しているか
コスト
導入時に多くの方が気にするのがコストです。しかし、安さだけで判断すると失敗につながります。
ROI(投資対効果)の観点で、以下を検討することが重要です。
改善サイクルを回した結果、売上にどの程度寄与するか
複数店舗展開時のスケーラビリティ
サブスクリプション型と買い切り型の総額比較
活用機能
AIカメラを「人を数えるだけ」で終わらせないために、改善サイクルを支える機能が備わっているかどうかも、選定における重要な観点となります。
予算達成や施策検証などを可能にするための、下記に挙げる機能が備わっているかどうかを確認しましょう。
POSシステムと連携して入店率・買上率・客単価といった売上構成要素まで分解ができるか
売上構成要素までブレイクダウンした予算化・予実比較が可能か
施策の登録や、効果検証ができる仕組みがあるか
活用支援
優れたシステムを導入しても、それを有効に活用できなければ成果は生まれません。店舗運営に関わる各部署が、いつ・どのデータを確認し、何を判断し実行し、その結果をいつ検証して次の改善につなげるか……、こうしたデータドリブンな業務プロセスを新たに構築し、現場に浸透させることが、成果創出にあたっては不可欠です。
単なる操作方法のレクチャーに留まらず、この仕組みづくりまで伴走できる支援体制があるかが重要となります。
オンボーディングだけでなく、継続的なサクセス支援があるか
データを活用できる組織づくりを支援してくれるか
他社成功事例や改善ノウハウの共有があるか
まとめ
店舗分析用途のAIカメラを選ぶ際は、「信頼できるデータを安定的に取得できるか」、そして「改善サイクルを支える機能や伴走支援があるか」を最優先に考えることが重要です。
コスト比較だけにとらわれず、信頼性・活用機能・活用支援を重視したAIカメラ選定こそが、売上向上や運営改善につながる最適な投資判断といえるでしょう。









