店舗分析用途のAIカメラを導入しようとすると、必ず立ちはだかるのが「いくらかかるのか」というコストの壁です。導入費用が見えないまま検討を進めると、後から思わぬランニングコストや工事費用に悩まされるケースも少なくありません。
本記事では店舗分析用途に焦点を当て、AIカメラの費用相場について解説。コストの構造や選択肢によるコストの違い、コストの変動要因について整理します。なお、以下の記事では、店舗分析用途のAIカメラについて、導入によって何が実現できるのか、また、導入するうえでコスト以外にも何に注視するべきかを解説しています。あわせて参照いただくことをおすすめします。
参考記事:
コスト構造を押さえる
AIカメラ導入における費用は、大きく次の二つに分かれます。
イニシャルコスト(初期費用):機器導入・設置工事・初期設定など、導入時に一度発生する費用。
ランニングコスト(運用費用):月額/年額の契約費、保守費、通信・クラウド利用料など、導入後継続して発生する費用。
この二つを合算して、トータルコストを把握することが、導入判断・比較検討においては不可欠です。
選択肢の整理:スクラッチとパッケージ
先に述べたイニシャルコストとランニング費用は、以下で整理する二つの選択肢によって、その費用相場が大きく変わります。
スクラッチ(ゼロからカスタム設計):自社の特異な要件(例:特殊広域店舗、複数売場横断動線、高精度属性推定など)に応じて、ハードウェア・ソフトウェア両面をゼロから構築する方式です。
パッケージ:汎用的な店舗分析向けAIカメラサービスをベンダーから提供。機能・データ取得範囲があらかじめ定義されており、費用予測がしやすい方式です。
スクラッチの特徴・相場
スクラッチ方式は自由度が高い反面、構築費・保守費が膨らみやすいです。店舗分析用途の場合、店舗あたりのカメラ台数が二桁以上にのぼるケースが少なくなく、また、映像から人の数や動き、属性について推論するAIも独自に構築するため、イニシャルコストは数百万円から数千万円規模、月額も数十万円規模と、高額になることが想定されます。
パッケージの特徴・相場
一方、パッケージサービスでは、導入費用・月額費用ともに比較的廉価といえます。例えば、ABEJAの提供するABEJA Insight for Retailの場合、規模や取得データの種類によって異なりますが、イニシャルコストは店舗あたり数十万円、ランニングコストも月額数万円ほどと、スクラッチと比べるとはるかに低額です。後段では、ABEJA Insight for Retailにおける具体的な金額例を、取得データや店舗の規模とともに説明していますので、あわせて参考にしてみてください。
コストを変える主な変数(パッケージの場合)
ここまで解説したとおり、店舗分析用途のAIカメラを選ぶ場合、よほどの独自要件がない限りは、パッケージサービスを利用するのがコストの面では有効だと考えられます。
ただ、パッケージサービスと一言でいっても、ベンダーや取得データの種類、導入店舗の規模などによって、当然費用は異なってきます。具体的には次のような変動要因(変数)があるため、比較検討時にはこれらを明確に確認することが重要です。
1. 取得するデータの種類
店前通行量・来客人数の計測のみ → 比較的低コスト
属性(性別・年代)/滞留時間/動線分析など → 機能増・解析モデル増でコスト上昇
2. 導入店舗の規模(=設置規模、必要なカメラ台数)
入口1か所・中小規模店舗など → カメラ台数が少なくコスト低め
多入口/広域売場/複数階層など → カメラ台数が多く設置工事も複雑となり高コスト
3. 既存インフラの活用可否
既存の店舗ネットワークが利用可能 → 機器費、通信費を抑えられる
新規配線/屋外対応/通信回線など必要 → 追加費用発生
4. ベンダーの差異
カメラ1台あたりの費用構成がベンダーごとに異なる
サポート・カスタマーサクセスなど、付帯サービスがベンダーごとに有償/無償などで異なる
導入相場の目安(パッケージの場合)
最後に、ABEJA Insight for Retailにおける、店舗あたりの導入参考費用についてご紹介します。
店前通行量と来客人数の計測のみを行うケースを想定し、以下の前提条件とした場合、店舗あたりの導入費用は初期費用300,000円(税抜き)、月額費用42,000円(税抜き)ほどとなります。実際は店舗の広さ、エリア、既存のインフラ環境などによってコストが変動しますが、導入相場の目安として参考にしてみてください。
取得データ:
店前通行量
来客人数
前提条件:
店舗携帯:インショップ
面積:100㎡
天井高:CH2500
エリア:南関東
店前通路:1面
入り口:1か所
導入参考費用:
初期費用:300,000円(税抜き)
月額費用:42,000円(税抜き)

まとめ
店舗分析向けAIカメラの導入費用相場を把握することは、予算組み立てやベンダー比較の必須ステップです。一方で、導入の先の成果創出を目指す場合には、コストだけではなく、データの信頼性や活用機能・活用支援の存在など、他にも注視すべき比較項目があります。
こちらの記事では、「信頼性」「コスト」「活用機能」「活用支援」の4つの観点から、AIカメラを選ぶ際に確認すべき事項について、チェックリスト形式で紹介しています。あわせて参照いただき、店舗分析用途のAIカメラについて、導入の検討を進めてみてください。
参考記事:









